<キャブセッティングの考え方について>                           

「キャブセッティングって難しいですか?」って言う質問を良く受けるんだよね。
答えは「Yes」『最高のセッティング』をするのは難しいと思うよ。
でも、皆は『最高のセッティング』までしなくても『必要最低限なセッティング』が出来れば良いんだ。
スカチューンをしてキャブレターセッティングをしない場合にエンジンの調子が悪くなるのは当たり前。
何故調子が悪くなるのかをこれから説明するよ。

ノーマル状態のキャブセッティングというのは非常に良く出来ていて、エンジン改造やスカチューンをしたり、マフラーを変えなければ、そのまま問題無く乗れるよね。
でも、スカチューンをするとノーマルのエアクリーナーを外してより多くの空気を吸い込む事が出来るパワーフィルター(エアフィルター)に付け替えるでしょ。
するとノーマル状態でバランスが取れていたガソリンと空気の混合比が変わってしまうんだ。
☆空気を多く吸い込むようになったのだからガソリンの量も増やしてやる☆
これをしないと常にガス欠症状で調子が悪いか、エンジンが熱を持ちすぎてオーバーヒートと言う事になってしまう。
だからこれは『必要最低限なセッティング』と言えるんだ。
で、皆の質問「メインジェットは何番が良いですか?」と聞かれたら「何番ぐらい」と答えることは出来る。
でも、それはあくまで大体のセッティングになってしまう。
理由は『空気中の酸素濃度は常に変わるから』なんだ。
空気の成分の中にはガソリンを燃やす為に必要な酸素が有るんだけど、その酸素は気象条件によってキャブレターに入ってくる量に変化が有るんだよ。

例えば、
☆雨が降っていて湿度が高いと酸素の割合が少なくなる→ガソリンを少なくする。
空気が乾燥していると酸素割合が多くなる→ガソリンを多くする。
☆気温が上がると空気は膨張するので酸素の割合が少なくなる→ガソリンを少なくする。
気温が下がると空気が収縮するので酸素の割合が多くなる→ガソリンを多くする。
☆標高が高いと気圧が低くなり空気が薄くなるので酸素も少なくなる→ガソリンを少なくする。
海の近くだと気圧が高いので酸素も多くなる→ガソリンを多くする。
等のセッティングが必要だ。
だから、その場所、その時の最高のセッティングは自分で出すしか無いんだよね。
例えばレーシングマシンでは同じ日の午前と午後でキャブセッティングを変えるのは常識だよ。
そのぐらい一日のうちでも空気中の酸素濃度は変化するんだよね。

でも、基本的に普段の走行ではそこまでやる必要は無いから、皆はチューニングして酸素が増えたことに対応する『必要最低限のセッティング』は必ずするようにしようぜ!
パワーフィルターを付けて酸素吸入量が増えた場合にはガソリンの量も増やしてやらなきゃイケナイ!っていうのが凄く大事だってことはもうわかるよね?

<キャブセッティングについて>

次はキャブセッティングの方法だ。メインジェット/パイロットジェットの交換方法自体はホームページの中に書いてるからそちらを見てくれ!

まず、メインジェットの調整だけど、普段走っていて「なんかエンジンの吹け上がりが重いなあ〜」とか「かぶりやすい」等の症状が出ているときは変更してみると良いね。
下に各車種別の大体の番号を並べてみたよ。
これはスカチューンをした時の参考番号だから、マフラーによっても変わるし、Part1で話した様に気象条件でも変わるから、あくまでも基本的な番号だと思って欲しいな。ベストなセッティングを見つけるのは自分だという事を忘れないでくれ!

※スカチューン、WBマフラー装着時の夏場の目安です。
FTR223       メインジェット145番 パイロットジェット42番
TW200 ’99以前  メインジェット135番 パイロットジェットノーマル
TW200 ’00以降  メインジェット145番 パイロットジェットノーマル
TW225        メインジェット150番 パイロットジェットノーマル
グラストラッカー     メインジェット140番 パイロットジェットノーマル
SR400 ’00以前  メインジェット185番 パイロットジェットノーマル
SR400 ’01以降  メインジェット180番 パイロットジェットノーマル
250TR        メインジェット140番 パイロットジェットノーマル
VANVAN200    メインジェット140番 パイロットジェットノーマル

どれを付ければ良いのか迷ったら上の表を参考にしてくれ。ただしこの表は若干濃い目の数値になっているよ。

基本的に調子が良いセッティングとは「エンジンが高回転まで回り、加速がスムーズな事」だから、いろいろ試して探して見ると良いよ。
その場合5番ずつの単位で変えないで一気に10番ぐらい変えてみるのも良い方法だ。
その代わり調子が悪かったらすぐセッティングを変える事!
そのまま乗り続けて大事なマシンを壊さないようにね。

そしてマフラーや気象条件、バイクによってはアクセルを開けたときのフィーリングが良くなかったり、バックファイアーの音(パンパンという音)が出る場合が有る。
その時はパイロットジェットを変えてみよう。
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